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ノーフューチャー

21歳

もう10代じゃなくて、20歳から1年が経って、でも大人でもない

少年と青年の狭間のような年齢

10代の時と何が変わったかと言われれば変わっていなくて

選挙権とか税金の支払とか、大人の責任ばっかりがのしかかってくる

自分のことすらわからないのに、国の未来まで考えなくちゃいけなくなった

正直重すぎでしょ

口内にまとわりつく苦味 わかったふうを装う

キリンのラガー マルボロのクリアエイト

どれも私を大人にしてくれない

 

10代の頃は許されていた悩みや苦しみが、20代になって許されなくなっていく

誕生日がくるから、無理やり19から押し出される

私がいたところにはもう次の19歳がたっている

好きなバンドは相変わらず10代に向けて歌を歌う

みんなより2つ年が上だから、がんばらなきゃ

かっこう悪いところは見せられない、だって21歳だから

年齢のせいにしたくない 本人の頑張り次第だって思ってる

でもたまに、どうしようもなく取りつく島がない時がある

下の子にはかっこうつけていたいし負けたくない

上の人には認められたいし追い付きたい

同い年の子は良きライバルで追い越したい

家族には何も話せない

好きなバンドは相変わらず10代に向けて歌を歌う

 

自我が芽生え立て中学生のような悩みばかり抱えながら

自分ばっかりがかわいそうで自分ばっかりが苦しいみたいな顔したい

世間が残酷なことに今気づいたみたいな絶望ばっかりが押し寄せる

悲しみはいつも新しいのに喜びはいつも過去の中から探すようなそんな日々

キラキラしている子たちの幸せに唾を吐きかける