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夢の話

どうせ消すから夢の話

金田一少年の字体で「殺人仮面B」と表示され、ドラマみたいに始まった
私はどこかの中学校で誰かを探して駆け回っている
走りながら、きっと私たちはハジメとミユキのような関係だと思った
昇降口に着くと数段高い廊下の上で、男と私の探し人の女が対峙している
顔に仮面をはめた黒いローブを着た男の手には、ナイフ
ナイフを持った右腕を一振り、顔の中央に真一文字の傷を負う女
危険だ
動きたいのに動けない
おそらく私が行動に移さないと殺される、殺されるのはわかっている
腹部めがけての一撃で鮮血が飛ぶ
スローモーションのようで速い
私の顔に温かな液体がかかった、分かっていたけど動けなかった

男にも女がいた
殺さなきゃいけないと思った、当然だと思った
校庭に出る、女がいる、手にはいつの間にか握られたナイフがある
切った、切ったけど血は出ない 何回も切った、何回も
女の首が垂れる 薄い皮膚一枚で繋がっている
首の皮一枚つながるとはこういうことかと思う余裕はあった
追ってくる 死なない女は死なない 死なない
あれだけ刺したのに死なない
私の探し人はあんなにあっけなく死んだのに
校庭を走ってもふりきれない 追ってくる追ってくるどんどん追ってくる
疲れた 夢の中だから体力とかないのに疲れた
後ろを振り返り対峙する ブラブラした首は笑っている
もう無理だ これが正解だと思った
ナイフを持つ 迫る 終わって欲しい 殺さなきゃ 覚めて欲しい

 

昨日ベイマックスを見た
兄を見殺しにされたヒロは闇堕ちしなかった